治療について
使用するはり |
刺入するはりは、すべてE.O.G(エチレンオキサイトガス)滅菌された使い捨てのはりを使用しています。
はりというと刺すものというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、刺入するはりだけでなく接触鍼という刺さないはりや、軽く皮膚にあてたり撫でさすったりするはりなどから、お身体の状態に適した手法を選択しています。
写真 左:使い捨てのはり 中:刺さないはり「調気鍼」 右:刺さないはり「扇」 |
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治療の考え方 |
解剖学や生理学といった現代医学的な見方と、気血水の巡りや五臓の働きといった東洋医学的な見方の両面から、痛みや凝りが出現している部分だけでなく全身の状態を拝見し、トータルで不調和を改善するよう治療していきます。
解剖生理学的には以下の3つの視点から治療プランを作成します。
■Parts
痛みや凝りがある部位の状態はどうなっているか? ■Unit
動きや姿勢と関連している他の部位がちゃんと連動して機能しているか? ■Brain
脳における痛みの状態の把握(脳の認知=インプット)、もしくは脳から動きを構成する筋肉へのオーダー(脳の指令=アウトプット)に誤りはないか? 東洋医学的には免疫系・代謝系・血液循環系の状態を「気・血・水」、呼吸・消化吸収・排泄などの働きを「五臓の働き」という身体観に重ねあわせ、「患者さんの身体がどんな状態か」仮説を立て、「どういう手立てをとれば症状が改善していくか」実際にはりやお灸をすることで仮説の整合性を検証していきます。
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治療の流れ |
■問診
問診表に記入していただいた後、症状や現在の健康状態について詳しくお聞きします。 ■治療前の状態を確認
痛みの場所や性質を確認します。症状により、鍼灸治療の適応かどうか理学検査等を行い、確認をしてから治療に進みます。 ■診察
脈、腹部の状態、手足の皮膚の状態、筋肉の緊張や弾力性、肩、骨盤、踵の左右の高さや向きなどを拝見し、治療方針を決めるための情報を収集します。 ■治療
呼吸が深くなり、緊張して縮んでいたり逆につっかえ棒のように伸び固まったりした筋肉が緩んでニュートラルな状態へ近づくように、身体が温まるようにと鍼とお灸をしていきます。 ■治療後の状態を確認
治療後に症状がどの程度改善したか、また症状以外の全身状態(筋肉の緊張の緩み、冷えの取れ具合など)を確認します。 写真 左:問診している様子 中:お腹を診ている様子 右:接触鍼をしている様子 |
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頻度と回数 |
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急性疾患の場合 |
週に2回程度の頻度で来院していただくケースが多いです。
寝違えでは約7割の方が1回の治療で日常生活で支障がない状態に改善します。
ギックリ腰では約7割の方が2~4回の治療で日常生活で支障がない状態に改善します。
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慢性疾患の場合 |
長年の症状であっても2~3回の治療で半減もしくは日常生活でほとんど気にならない状態まで改善することがあります。ただし、しびれや麻痺を伴う症状の場合は週1回程度の頻度で継続的な治療が必要となるケースが多いです。
また、ふだんの生活における身体の使い方が変わらないと元の状態に戻ってしまいますので、継続的な治療(1ヶ月に1回程度)をされるか、セルフケアしていただくか、その両方を組み合わせるのか、相談の上、患者さんご自身に選択していただいております。
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婦人科疾患の場合 |
逆子の治療は鍼灸の得意とする代表的な疾患です。28週から32週の間に受診いただきますと、約7割の方が1回の治療で改善いたします。
不妊症の場合、患者さんのお身体の状態にもよりますが、週に1回、もしくは2週に1回の頻度で治療をし、3ヶ月から6ヶ月の間に妊娠に至ることを目標に治療いたします。
月経にともなう痛みの場合、骨盤の動く周期にあわせ4週間に一度来院していただき、3回~4回の治療で痛みや不快な症状を軽減いたします。
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